春は転んで起き上がる

日向がぽかぽかしていて、雲ひとつない青空

いつもは耐えられないホームでの電車の待ち時間も、今日は秋セメお疲れ自分で買った飲み物片手にスマホなんていじっている

心なしか道行く人の表情も柔らかい、気がする

いやあ ビバ 春

今日はコートの代わりにマフラーをぐるぐる巻きにしてルンルン気分で出掛けたわたしは、世間がまだ冬であるということをすれ違う人の服装で気付く

わたし以外コートを着てるぞ

まだ冬……

そういえばまだ1月末である
立春ですらまだ来ていないのだ

そもそもわたしは暦を信じていない
なんだ立春とかいうやつは 2月が春の始まりなわけがなかろう

春は3-5月、夏は6-8月、秋は9-11月、冬は12-2月と相場は決まっているだろうが

わたしは季節の変わり目に叙情的なツイートをする人が好きだ それをつぶやいたのが同じタイミングだと簡単にデステニーを感じてしまうタイプだ

ストロボエッジじゃないけど、そういうのって結構大事だ、とおもうんだけど どうかな

なんでこんなにあったかいんだ今日という日よ
こんなんじゃコートの生活に戻れない 戻りたくない

明日は雪が降るらしい

天才子役加藤清史郎くんの昔のCMを思い出す
「持ち上げといて、落とされる」とはこのことである

わたしは基本的に寒いのが大嫌いだ
寒さは耐えられない 痛い それとともに頭に浮かぶ「死」という漢字

人間の構造はみんな一緒のはずなのに、冬が好きなやつがいるのはなんでだ

冬で唯一好きなのは正月だ
あとはもう、全てにおいて「恋人たちの」というのが単語の前に付くこのかんじ

雪も寒いからなア、と敬遠する歳になってきたが、いざ見てみるとテンションが上がるものだ

長い長い長靴を履いてザクザク歩いて、1人でも御構い無しでワーキャー声が出てしまう

あとはいつもは挨拶程度のご近所さんと不思議とコミュニケーションが取れるもんで、これがなかなか結構たのしいのである

このあいだの雪の時は小学生と本気で雪合戦をしてボロ負けをした その時の薄い色のコートにはまだ勲章が残っている

しかし流石に1対15は卑怯であった(加えてわたしはコントロールがないもので小学生に一つも当たらない)

雪が降ると、太陽の光が積もった雪に反射して外がキラキラして見えるのが好きだ

いつもより明るい見慣れた道の見慣れない景色についた轍を辿って家まで帰るワクワク感もいい

雪が降るとやはり雪のことを歌った歌を聴きたくなるのに、雪のことを歌った歌は全部相手がいないと成り立たないのはなんでだろうな

スノースマイルもヒロインも、登場人物は2人だ

それでも自然とスノースマイルを口ずさんでしまうのはやはり頭の中に雪の時はコレ、という方程式が出来上がっているんだろうとおもう(BUMP OF CHICKENはすごい)

それにしても雪が降ったときの各交通機関の乱れ様といったら凄まじいものだ

電車が動かないだけで駅も電車も満員
この街にこんなに人が住んでいたのかと圧倒されるほどである

世の中が便利になりすぎたのか

遠くの駅から歩く人たちの足跡で、雪は黒く水気を帯びる

社会人になったら雪の楽しさなんて余計感じれなくなるんだろう

やっぱり冬は苦手だなア